映画界の底辺で生きる映画監督 矢城潤一の「ねこのひげ」公開限定自虐ブログ……だったけど、時たま更新してます。そうしている間に第二弾『ばななとグローブとジンベエザメ』作ったよ。


by filmgecko

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何故か舞台

厳密にはワークショップの発表の場という趣で、三十分の舞台をダブルキャストで二回ずつ公演するというもの。
その名も「俳優市場」。一公演三演目。私を含め三人の演出家がそれぞれ芝居を発表する。キャストはプロの役者もいれば、今回が初めての若い役者もいる混成チーム。
私自身、初めての舞台ということもあり、ある意味挑戦的なスタンスで臨むも、映像とは勝手が違い、思っていた以上に苦労してます。
ライブで三十分見せきるパワーって半端じゃないわ。
しかも仕上げ段階で全キャスト揃っての稽古が出来てないし…。
でもって本番は来週頭に迫っているし…。
最後突破するのに必要な物は…やっぱパワーだな。
それは映像も舞台も変わらん。
ちなみに題名は「パンクロックなバス停」作・演出です。

追加情報
公演は①3/31 18:00~ ②4/1 18:00~  ③4/2 14:00~  ④18:00~
当日券は無く、前売りのみの扱いのようです。
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by filmgecko | 2008-03-28 19:27

公開まで一ヶ月

マスコミ試写も全て終わり、ネット上で批評もチラホラ。
概ね好意的。少し胸をなで下ろす。
後は公開まで突っ走るのみ。
八面六臂の活躍の大城P。体力が持つかチト心配。
反して妄想力は相変わらず絶好調のよう。
これから益々テンションが上がる気配か。
電話の声が一オクターブ高いし。

泣いても笑ってもあと一ヶ月。
不安と期待が交錯する複雑な日々を楽しもう。
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by filmgecko | 2008-03-20 23:46

映画監督 新藤兼人

酒の席などで「目標とする監督は?」などの問いには、「新藤兼人」と答えていた自分。
昨日NHKで放映していた最新作「花は散れども」に挑む新藤監督のドキュメンタリーを観た。
圧倒されました。もう「目標」などと軽々しく答えられるレベルではなかったです。
番組中、孫で映画監督でもある風さんに「真面目にやれよ」と何の脈絡もなく声をかける場面。
あの言葉は全ての映画監督に向けた言葉だったんではないだろうか。
自分にはそう感じられ、思わず背筋が伸びた。
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by filmgecko | 2008-03-19 11:41

感激「ワニの涙」

舞台上で詩的な台詞を語ることが似合う女優というのは、どのくらい存在するのだろうか。
根岸季衣は紛れもなくそんな女優の一人だ。

舞台の設定は、近未来。地球上に唯一生き残った男女の話。
DJだった男は、視力を失い、しゃべり続けることで、自己を成立させている。
歌手だった女は、歌を失い、沈黙することで、自己を成立させている。
そんな二人が出会った時、自己に変化が起こる。
男に出会い、沈黙していた女からは詩が語られる。そして詩を語る度にその強さ(生命力)を増していく。
女と出会った男は逆に自省し自己を崩壊させていく。
沈黙の強さ、想像の強さ、思想の強さが心に強く残った。
自己と向き合うことはキツいことだけど、逃避からは何も産まれない…。

根岸さんは「ねこのひげ」にも出演していただいている。
姪役である渡辺真起子との蕎麦屋での昼酒のシーン。
まさに叔母と姪、同じ匂いを感じさせ、何気ない会話の中に甘えと緊張感が存在する。
とても素晴らしいシーンになったと思う。
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by filmgecko | 2008-03-17 11:36
新銀行東京の経営悪化問題。「貸し渋りにあっている中小企業救済のために」と石原都知事の肝いりで設立された銀行だったが、その「想い」は踏みにじられ、乱脈経営が露見。存亡の危機に瀕している。
今回の事案に関しては石原知事の監督責任も問われるべき問題だが、「想い」というのは、他人には伝わらないものなのだ、ということを改めて実感させられた。
何故「想い」は伝わらないのか?
それは「想い」への熱さ、深さが根本的に違うからだろう。
かつて助監督時代。映画の企画をプロデューサーに提案したことがあった。
こっちとしては、「このタイトルだけでも企画が通るでしょ」くらいの熱の入れようなのだが、プロデューサーは何の共感も持たなかったようだ。
まあこの時は、ある意味「思い込み」「思い違い」の部類かもしれないが、
現在でも、テレビの二時間ドラマの脚本などに参加する時に、この「想い」の伝わらなさは度々遭遇する。
目指す方向が同じなら、誠意を持って説明すれば伝わることはあるが、立脚点が違えばそれは難しい。
自分の「想い」が伝わる人をいかに増やしていくか…。
私の「成り上がらない」日は、まだまだ続く…。
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by filmgecko | 2008-03-13 11:42

感激「モグラ町」

あんなにボソボソと進む芝居を初めて観た。
ゆるゆると人間の本質の深淵に迫ってく感じがとても感性をくすぐった。
舞台にいない時はお茶飲んだり弁当食ってる役者たち。
そこにいてしゃべることが全てだと言わんばかりの演出。
パラレルな日常と空間。それを支える生演奏。
前川麻子 作・演出。
私もかなり天の邪鬼だけど、あの演出家も絶対天の邪鬼だと思う。
渡辺真起子も良かった。
「愛の予感」でもそうだったが、彼女はいつもどこかに負の要素を抱えている女性の役が多い気がする。
強さと弱さの二面性。それを表現できる希有な女優ということか。
色んな意味でとても楽しめた芝居だった。
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by filmgecko | 2008-03-12 01:43

自主映画の必要

最近、観たい邦画が少なくなった。私の映画を選ぶ最初の基準は、「ガツン」系か「スッキリ」系か、後は好きな監督や話題作をチェックする。
今主流の「泣かせ」系は私の選択肢にはない。まだ十代の頃にジョンボイト主演のボクシング映画「チャンプ」を観て泣いた時、「こんな泣かせるように仕向けられて泣く自分が許せない」と理不尽さを感じ、それ以来、「泣かせ」系は映画と認めないようになった。
そして痛快「スッキリ」系は、どうしてもハリウッドの大作映画には邦画は太刀打ちできない。ていうか、黒澤以降、邦画の大作で痛快「スッキリ」した映画があったかどうか思い出せない。
となると邦画に求めるのは「ガツン」系しか残らない。若い頃はそれこそ何を観ても「ガツン」だったが、最近はそうそう「ガツン」はない。
近年一番「ガツン」だったのは、長崎俊一監督の「闇打つ心臓」。ちょい「ガツン」が小林政広監督の「愛の予感」…つまり、どうしても自主映画系の作品になる(二作品とも自主映画ではないが、作家のスタンス的な意味です)。作家のあがきや葛藤、苦しみ…を見せられると「ガツン」とされ、目が覚める。
結局、ぬるぬる甘甘の自分の頭がいけないんですが…。
俺も「ガツン」と出来るような映画を作ろう!
次も自主映画か…。
やっぱり「成り上がれん…」
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by filmgecko | 2008-03-11 20:31
先日DVDの特典映像用という俳優たちのインタビューをおこなった。
その内容から、みんながこの映画に関われたことを心底楽しんでいるように感じた。
もう三年近く前に撮影したにもかかわらず、ついこの間のことのように楽しそうに映画を語る姿に感動さえ覚えた。

何故こんな楽しんでくれているのだろうか…。

これぞまさしく大城マジックなのだ。
例えば、今回のインタビューにしても、今の段階で具体的にDVDに関して何の決定事項も無いはずなのだが、大城Pの頭の中には、確固たる「ねこひげ」の道筋が描かれていて、何の迷いもなくそれに邁進する。この「妄想力」こそが、大城Pの才能であり、俳優を説得し、スタッフを集め、「ねこひげ」を完成させ、公開にまでこぎつけたパワーの源だと思っている。
我々は夢を与える仕事に就いているが、現場は例外なく現実的な場所であり、時間に流されていく中で自分たち自身が夢を見ることはなかなか難しい。
そんな状況で、ある種異端である大城Pの「妄想=夢」に対し、最初は、「本当に出来るのか?」という疑念を抱きつつも、なぜか惹きつけられ、そのペースに乗せられ、最後には「大城ちゃんのために」と仕事ではなく、心意気で参加してくれたのだと思う。
そう言う意味で本当に希有な成り立ちの映画だし、参加してくれた人々の思いがちゃんと画に映っていると思う。
僕はインタービューを撮り終えた後、「大城さん、本当にあなたは幸せ者だ」と声をかけた。

まあ、偶に「妄想」が「暴走」する時もありますが、一度口に出したことをやり遂げる信念と「頼み上手」と言われる憎めなさは、まさしくプロデューサー向きだと思う。
僕の専属Pになってもらえれば、「成り上がる」のも夢ではないのだが、本人は、「自分の作品だからこそパワーが湧く」と、プロデューサー業には全く興味ないようだ。
僕の「成り上がらない」日々はまだまだ続きそうである。
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by filmgecko | 2008-03-07 16:48
映画と全く関係ない話。
パイオニアがプラズマTVから撤退するというニュースが流れた。私の認識する所では、プラズマTVはパイオニアによって産み出され、最近出した「KURO」というシリーズは、プラズマの弱点だった黒の階調を表現し、AVマニアや評論家から評価され、去年AV雑誌の賞を総なめにしたほどの製品だった。つまりプラズマTVの開発力に関してパイオニアはナンバーワンだったはずなのだ。なのに撤退…。液晶や他社製品とのコスト競争や、企業の体力、市場の先行き等、様々な要因があっての結果なのであろうが、「ナンバーワンの製品」が生き残れないというのは、やはり異常だと思う。その製品に関係した様々な人たちの想いはいかばかりか。頑張った人間が夢を見られない世界で良いモノが生まれるはずがない。一部の技術者の絶望は、いつか全体の失望に変わり、徐々に衰退していく。
映画と全く関係ない話であって欲しい。
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by filmgecko | 2008-03-05 00:54

何故映画を撮るのか

先日友人の村松亮太郎監督の撮った「ヘイジャパ!」という映画を観に行った。彼は元々役者で、映画を撮るために、会社まで立ち上げ、今や40人のスタッフを抱える社長でもある。その映画を撮る執念たるや、まさに気狂い級である。そして出来上がった映画「ヘイジャパ!」も気狂い級だった。
彼の執念の結晶がそこに存在していた。それは不道徳で、押しつけがましくもあり、自虐的で、ピュアで、刺激的で、愛に満ちた映画であった。作りたい人間が突っ走って作った「魂」が感じられた映画だった。
そう言う意味では「ねこひげ」も作りたい人間が突っ走って出来上がった映画である。観た人が何を感じてくれるのか…不安でもあるが楽しみだ。

ちなみに「ヘイジャパ!」の正式名は「HEY JAPANESE!Do you believe PEACE,LOVE and UNDERSTANDING?2008ー2008年、イマドキジャパニーズよ。愛と平和と理解を信じるかい?」です。現在渋谷Q-AXシネマで公開中。
「ねこひげ」マリリン役の税所伊玖磨さん。編集部員役の原田佳奈さん、吉家明仁さんも出演されてます。
是非チェックしてみて下さい!
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by filmgecko | 2008-03-04 12:45