映画界の底辺で生きる映画監督 矢城潤一の「ねこのひげ」公開限定自虐ブログ……だったけど、時たま更新してます。そうしている間に第二弾『ばななとグローブとジンベエザメ』作ったよ。


by filmgecko
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火傷と結婚指輪

数日前に火傷をしまして、皮がベロンとむけまして、サランラップを巻き付け自分で治療してたのですが、
早く治したいと思ったので、医者に行こうとしたのですが、
出かける直前に、「念のために治療法を確認しておこう」とネットで調べましたら、
なんと、まだ消毒&ガーゼが火傷の治療法としてまかり通っているようではありませんか!
今や軽度の火傷の治療は『湿潤療法』と言って、傷から出る体液を乾かさない治療の方が治りが早いと言うことは周知の事実で、そのための絆創膏まで市販されているというのに、病院では昔ながらの治療法のままって…。
よく調べると『湿潤療法』を行っている病院はあるにはあるのだけれど、なんと神奈川には9病院しかない。
確かに『湿潤療法』は治療しない治療法なので、治療を前提とした病院との相性は悪いかもしれないけど、でも納得できないよね…。
結局、薬局で大きめの絆創膏を買って、順調に治療中。

火傷と言えば、助監督時代にジェネ車の廃熱パイプを思い切り掴んで、掌を大火傷したことがあった。
すぐに病院に連れて行ってもらったんだけど、手がパンパンに腫れて、当時していた結婚指輪を医者が切ると言うのを、まだ結婚数年だった私は「絶対にダメ」と拒み、皮を剥がしながら痛みを堪え、無理矢理引き抜いたことを思い出した。
そう私は愛に生きる男なのだ。

終わり
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# by filmgecko | 2011-07-09 22:17

決起する会

昨日『ばなな』の第一回決起集会なる物が催された。
前作『ねこのひげ』に出ていただいたキャストの多くが今回も参加して下さるので、気持ち的には楽だと思っていたが、そんなことはなかった。
イヤ、そういう関係性みたいなとこは楽な部分はありますが、
逆に、裏切れないという新たなプレッシャーに急に襲われたんですわ。

思い返してみると、前作はゼロから始まっていたので、この難しい本をどうするのか…創作部分のプレッシャーだけだった。
今回は物語がちゃんとあるので、ある意味余裕があるのだけれど、やっぱなにか自分を追い込まないとダメなのかな?とか悩んでみようと思います。

それにしても積み重ねていくことの大変さを実感しました。
まあ一杯飲んで、そのプレッシャーもどこかに行ってしまったんだけど…。
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# by filmgecko | 2011-07-07 21:59

才能の覚醒

日ハムの中田翔の話。
日ハムファンではないので、特別注目していたわけではないけど、「平成の怪物」と呼ばれ、高卒でプロ入りしてから3年間、一軍では大した成績を残せていない事くらいは知っていた。
そんな中田翔が、今年は壁をぶち破り覚醒。現在打点王らしい。
内角に弱点があり、そこを執拗に攻められて結果が出ていなかったが、今年は見事に克服した。素晴らしい!
年々コツコツと上がっていく選手はいるけど、地獄(2軍)から天国(1軍4番)まで一気というのは、あまり記憶にない。やはりなにか持っているんだろうね。
しかし、監督とか脚本とか一気にレベルが上がるってあるのだろうか?
「おお、壁を越えたぜ!」的な。
若い役者は急に芝居のレベルが上がることはあるけどね。自分でなにかを掴んだ時にね。
でも監督、脚本の場合はバジェットのレベルが一気に上がることは珠にあるだろうけど、技術レベルはそうそう上がらんよな…。
やっぱりコツコツやっていくしかないんだよな…。
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# by filmgecko | 2011-07-04 21:36

テレビの観すぎ

かつては誇大妄想的な発言をすると「お前、テレビの観すぎだよ!」とか言われた。
例えば「**ちゃん、ずっと会社休んでるけど、しつこい元カレに拉致でもされたんじゃない」とか、
「隣の住人が大量の花火買って帰ってきてさ、もしかしてテロリストじゃないかと思うんだけど」とか。
ある事態が常識的な方向よりあり得ないくらい悪い状況を想像した時に、その言葉は使われた。
しかし原発事故以来、今の状況が現場の人たちの機転と知恵によって劇的に好転するのではないかと期待している自分に対し、「テレビの観すぎだ」とたしなめる事が多々ある。
現実には『地球防衛軍(ウルトラシリーズ)』も『国際救助隊(サンダーバード)』も存在せず、『アルマゲドン』や『24』のようにヒーローも出現しない。
電源車が来てもプラグが合わなかったり、ヘリから散水してもほとんど届かなかったり、バルブの「開閉」を間違えて汚水除去装置が稼働しなかったり、自分の想像を遙かに超えたへたれ振りが展開される。
しかしそれは仕方ないのかもしれない。だって現場で必死に闘っている人たちは、私と同じ生身の人間なんだもんね。人間の能力なんてそんなモンなんだよ。
俺なんかいまだに味噌汁こぼして、しかられるんだから…。
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# by filmgecko | 2011-07-03 10:35

日本人の特性

震災から端を発した様々な出来事で日本人の特性が浮き彫りにされた気がする。
個として耐える力。追い込まれた時に集団として団結する力…これは世界の民族の中でも誇れる特性だと思う。
しかし、責任の曖昧さ、システムや組織の運営力、危機管理能力…これは情けないくらいダメダメだ。
それは、先の大戦でも同じだったので、日本人の特性と言っていいだろう。
思うに、個として耐える力や団結力が強いせいで、しっかりと管理されたシステムや組織がそれほど必要でなかったのだ。それ故に組織やシステムの運営力が育まれていかなかったのだ。
それは映画の現場を見ても分かる。予算や時間が無くても、スタッフの頑張りで何とか成立させてしまう。今でもプロダクションはそこにおんぶに抱っこ状態だ。
しかし今の若者たちを見ると、我々の世代より耐える力が衰えているのは明白。
もし個も組織もダメになれば、グローバル化の中で世界に伍していくの厳しくなる。
今こそ日本の知を組織論に結集する時じゃないのか。
哲学者や思想家も一度くらい国に貢献してもバチは当たらないでしょ。
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# by filmgecko | 2011-07-02 10:03

意識の深度

震災時に成田空港でお客さんをほったらかしにして我先にと避難する空港スタッフの姿がYouTubeにアップされ、物議を呼んでいるようだ。
逆に「羽田空港のスタッフが身体を張ってお客さんを守った」とか、「東京ディズニーランドのキャストの避難誘導は完璧だった」などと賞賛の書き込みさがれていたりもするらしい。
この両者の対応は何故こんなに違ったのか?
おそらくそれは自分の仕事(業務)に対する意識の差だと思う。
日々漠然と仕事に従事している人間とプロとして高い意識を持って仕事をしている人間…その差だ。
例えば警察官。給料や年金の良さで警官になった者。市民の安全を守る正義感で警官になった者。刑事や拳銃に憧れて警官になった者。
この三人の警察官が凶悪犯に遭遇した時の反応はまさに三者三様だろう。
一人は、秋葉事件の警官の様にパニクってなにをしていいか分からなくなるかもしれない。一人は、市民を守るために身を挺するかもしれない。一人は、躊躇無く拳銃を抜き発砲するかもしれない。
あくまでも仮定だが、『意識』の違いは必ず行動の違いに出るはずだ。

この『意識』こそが、その人間の基(種)のような気がする。
家族に対する意識、電車の乗客としての意識、仕事に対する意識、公道を走るドライバーとしての意識、日本人としての意識、地球人としての意識…。

『意識』も才能の一つだと思う。ある事に対して意識できる人もいれば、まったく無頓着な人もいる。特定の事柄に異常に意識をする人もいる。先の震災がきっかけで、今まで意識していなかった事柄を意識するようになった人もいるだろう。
『意識』を持った瞬間、その人はその『意識』にどう対処するかを迫られる。
面倒くさくて一瞬でやめてしまう人もいるが、延々とその事を考え続ける人もいる。嫌々考える人もいるが、面白がって考え抜く人もいる。

もし『意識』の種類や広さ、深度が数値化できたとしたら、その人間をカテゴライズすることが出来るはずだ。
「あなたはこういう人間だ」と。

しかし現実には他人からは自分の『意識』は見えにくい。そして『意識』などしなくても何の支障もなく生きていける。逆に『意識』が事をややこしくすることさえある。
それじゃあ『意識』などしない方がいいのか?
その問いには「分からない」と答えたい。
するのが『善』で、しないのが『悪』とかの道徳的な問題ではない。
するしないで人の『幸』『不幸』が左右されるという人生論でもない。

私自身の事で言えば、身の回りに起こる様々なことを意識できる人間でいたいとは思っている。
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# by filmgecko | 2011-06-25 00:19

有名人監督の憂鬱

先日、偶々観たテレビで、松本人志が自分の撮った映画に対して「海外では認められているけど、日本では…」みたいな話をしていた。
まあ、話のテンションから半分ネタみいたいなところはあるとは思うけど、それでも半分は本音だろう。
彼の言っている意味も気持ちも分かるが、一番の原因は、「商品」と「作品」の違いを分かっていない事だと思う。
松本監督作品は、全国数十館ロードショウの「商品」として公開される。
しかし、映画を撮るスタンスは完全に「作品」だ。おそらく日本の監督の中で、彼ほど自分の思い通りに映画を撮っている監督は他にはいないだろう。
「商品」の定義とは、消費者の求める物を提供する事である。つまり大半の観客が満足するであろう映画を目指す。その為に売れてる原作を使ったり、人気の俳優を使ったり、マーケッティングに奔走する。
「作品」の定義は、誰かが作る物、提示したい物、問いたい物…。特に決まりはない。美術の世界では古い便器を置いただけでもそれが「作品」になる。

不幸なのは、彼自身が「商品」なので、「作品」のつもりでも「商品」として扱われてしまうことだ。
有名人である限りそこから逃れることは出来ない。
つまり今のスタンスで映画を撮る限り、彼のジレンマはずっと続くと言うことになる。

「ああ、無名で良かった…」
ええ、ええ、負け惜しみですけど、なにか?
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# by filmgecko | 2011-06-22 19:00

政治のメッセージ

民主党マニフェストの中でも売りの一つだった『子ども手当』
自民党時代の『児童手当』小学生まで月5000円(所得制限有り)の5倍以上、26000円を中学生まで支給するというモノだった。
結局、1年目は財源が確保できず、半額の13000円が支給され、その後、参院惨敗のねじれ国会の影響で時限的つなぎ法案で半年延長。今国会で継続審議中だが、野党の同意は得られず、10000円程度に減額され、法案成立の見通しだという。

単に支給額の増減に議論が終始してしまった感のある『子ども手当』だが、そもそもは、少子化対策のために民主党が打ち出した政策であったはずだ。
今の出生率のままでは、40年後には総人口が9千万人を割り、そのうち約40%が65歳以上の高齢者という、超逆ピラミッド型の人口割合になってしまう。
その結果、年金を含む社会保障制度の崩壊、生産人口減少や内需縮小による経済活動の減少、それに伴う税収の悪化と国力の低下等、様々な弊害が予想される。
裏を返せば、もし少子化が止められれば、現在懸念されている多くの問題が解決されることになり、決して「バラマキ」などと政争の具として矮小化される問題ではなく、国のあり方を見据えた大事な問題なのだ。
何故、民主党は愚直に少子化問題の深刻さを訴え続けなかったのだろう。
結局、メッセージを伝えるどころか、少子化問題に対しなんの理念もなかったことを我々に知らしめただけだった。これから子供が生まれてくる若い世代の失望感は如何ほどのものだったろうか。
最終的に10000円の支給に留まっても、かつての2倍の支給額なのだ。2倍の税金を使って、得たのは失望感だけ…。もっと実のある使い方をして欲しかった。
ジャパネットの高田社長なら、「なんと2倍ですよ、2倍!」と、いかに凄いかをあの甲高い声でアピールし、その勢いに乗せられ子作りする夫婦もいただろう。
メッセージが伝わらなければ、いくらお金を配っても死に金で終わる。
政治家は、政策の裏にあるメッセージ伝達の重要性を真剣に考えるべきだ。
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# by filmgecko | 2011-06-18 00:16

渋谷 電力館

渋谷の電力館が閉館してしまったらしい。
原子力発電所の是非が問われる今こそ、あの施設の意義は大きいと思っていたのに残念でならない。
まあ、『安全安心第一』がコンセプトだったので仕方のない面もあるのだが、この3月下旬にリニューアルオープンする矢先だっただけに本当にもったいない。
今思えば、原子力発電所や原子炉の縮小模型、燃料棒やペレットなど、事故後の今だからこそ興味深い展示品がたくさんあった。
特に原子炉の模型は3分の1サイズでかなりの迫力があり、機会があれば是非もう一度見てみたかった。
解説やプロパガンダ無しで公開するのは無理なのだろうか。無料じゃなくてもいいから。
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# by filmgecko | 2011-06-17 00:37

天才イチローの藻掻き

プロアスリートの使命とは何だろう?
与えられたことを黙々とこなし、結果を出す事か…。
例えば、野球選手なら、一試合4回打席に入り、10回に3回ヒットを打つ。
サッカー選手なら、ミスを少なくパスをつなぎ、機会があればシュートを打つ。
ゴルフ選手なら、より少ない打数で18ホール回る。
一見、正解のようだが、何か物足りない。
それは見る側の『期待値』が、からんでいないからだ。
最終回、1点ビハインドの場面で、逆転ホームランを放つ。
終了間際、同点の場面で、シュートを決める。
最終ホール、優勝を決めるロングパットを沈める。
観客の期待にどう応えるか…それが、プロアスリートの使命だ。
そこには感動が生まれ、また期待する。それに応え続けられるアスリートが、『一流』と呼ばれるのだろう。

MLBマリナーズのイチロー。今まで多くの期待に応え続けてきた超一流アスリート。
しかし、今シーズンは少し様子がおかしい。
4月はキャリアハイに匹敵するほど絶好調だったが、5月に失速、ここ4試合ほどは2安打ずつヒットを打っているが、打率はまだ2割6分そこそこに留まっている。(※メジャーキャリア3割3分)
ここでスランプの原因を論じる気はない。
昔も今もイチローは期待に応えようと、誰よりも必死に野球に取り組んでいることは間違いないからだ。
イチローは会見で今の状態を「人間が試されている」というニアンスで表現した。その言葉から尋常ではなく追い込まれていることが分かる。
ファンとして出来る事は「人間」を賭けた一流アスリートの行く末をただ見守るだけだ。今年も200本打ってくれることを期待して。やり遂げた時、また違う感動がもたらされるはずだ。

映画監督も期待されてなんぼだけど、期待に応えられなくても撮り続けられる監督もいるから不思議だ。
元々ペイできる確率が低いからな映画ビジネスは…。

※ちなみに、イチローは自分を『天才』と言ったことは一度もない。2001年、同じくメジャーに挑戦した新庄の打撃を見て、「いつも違う打ち方でヒットを打っている。彼こそ天才だ」と言った逸話がある。
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# by filmgecko | 2011-06-16 00:09