映画界の底辺で生きる映画監督 矢城潤一の「ねこのひげ」公開限定自虐ブログ……だったけど、時たま更新してます。そうしている間に第二弾『ばななとグローブとジンベエザメ』作ったよ。


by filmgecko
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作品の命

先週、30分のショートムービーを2日間で撮った。
約1ヶ月8回のワークショップの総括として、参加者全員をキャスティングし、撮影するという企画だった。
最初話を聞いた時は、「かなり無謀な企画」だと思った。
参加者の中には初めて芝居をする者もいるらしく、芝居のレベルは未知数。
ワークショップをこなしながら、出演者を当て書きで脚本を書かなければならない。
予算と撮影日数がないので、ロケセットは使えず、場所移動は出来ない。ナイトシーンも2日分限定。
しかも最終的にはどこかで上映するらしいので、出来が酷ければキャリアに汚点として残る。
普通なら二の足を踏む所だが、9月に『ばなな』でお世話になるプロデューサーからの依頼でもあり、半ば消極的なスタンスで引き受けることにした。
1度風邪でぶっ倒れたものの、無事にワークショップを終了。何とか脚本も書き上げた。
しかし不安は募る。助監督、制作部、撮影スタッフの編成。低予算なためかなり限定される。
ようやくスタッフは決まったものの、基本使用料無し交渉なのでロケハンが難航。苦労するスタッフを見て、
「やはり、やらない方が良かったか…」と、この期に及んでまた後悔の念が…。
そして迎えた初日。カメラが回り、芝居が始まる。それがワンカット、ワンカット積み重なっていくうちに、映画に命が宿っていく感覚を覚える。作品は私の手から離れ、みんなの物になっていく。
それは芝居が上手いとか、ロケ場所が完璧だとか、予算が潤沢にあるとかとは関係ない。
やはり映画はそれぞれの想いが作り上げるものなのだ。
それがどんな歪だろうが、小さかろうが、出来が悪かろうが、産まれた命に変わりはない。
この作品をやって良かったと思う。
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by filmgecko | 2011-08-09 09:27